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三菱商事(2020年3月期)決算の概要・配当金等について

2020年5月10日

2020年5月8日に三菱商事の2020年3月期決算が発表されました。

2020年3月期決算短信より

当期利益は5,353億円で修正見通しを達成しております。

来期の業績については新型コロナウィルス禍の影響を見極め後、速やかに発表するということで今現在では未定となっております。

2019年度決算公表 本日ご説明のポイントより

2020年3月期の配当金については予定通り1株当たり132円となりました。

来期の配当見通しは、配当総額を維持し、自社株買いによる株数減少を踏まえ、1株当たり134円とまさかの2円増配する計画だそうです。来期に関しては増配はないかなと思っていたので嬉しい発表でした。不透明な環境においても、財務規律を維持し事業ポートフォリオは環境悪化への耐性を堅持しているという理由から累進配当(減配せず、配当を維持、もしくは利益成長に合わせて増配する配当方針)の継続も明言しておりました。

コロナショックに加え原油ショックも重なっている中、累進配当の明言ができるのも、ほんとに事業ポートフォリオがどのような状況下でも強固なものに変化してきているんだなと感じます。

そもそも転換期となったのは2016年3月期です。資源エネルギー市況の低迷が続いたことで、収益における資源分野の割合が高い三井物産と三菱商事が創業以来の赤字を出しました。一方、繊維や食品、機械など非資源分野に強い伊藤忠商事は初の業界首位に君臨し、総合商社業界のパワーバランスが大きく塗り替えられてしまいました。

その教訓から三菱商事は事業ポートフォリオを事業系・市況系に分けました。そして2019年3月期までに、事業系・市況系の資産を7:3の割合に組み替えていく方針に転換しました。事業系とはマーケットによって収益が左右されないもの、市況系はその事業の収益が原油相場や金属相場によって左右されてしまうものです。市況系の収益は資源価格の市況次第で大きく変動するので、収益がコントロールできないという危険な側面がありました。

2019年度決算 IR資料より

資源に強いと言われる三菱商事ですが、利益の割合では、およそ市況系が38%、事業系が62%と、赤字転落後の事業改革の成果が出ております。

三菱商事の最大の強みは既存の事業ポートフォリオで収益が出せないと判断したら、収益構造を変化させる力を持っているところだと思います。2016年3月期の赤字から2020年3月期では累進配当を維持するところまで来ていることから実証されていると言えるでしょう。この力がある限り永続保有していくつもりです。

為替の影響はどうしても受けてしまいます。2020年度の見通しは110円/ドルとしていますが、その通りに行くかは誰にもわかりません。1円円安(円高)につき年間25億円の増益(減益)インパクトがあるそうです。私も長期で見れば円安に進むと考えていますが、為替相場がどっちに転んでも安定して収益を確保できるようになるとより良くなると思います。