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3つの指標に連動するJリートETF:新型コロナウィルスによる影響

JリートETFが連動している指数には3種類あります。東証REIT指数と東証REIT Core指数、野村高利回りJリート指数です。

三菱UFJ国際投信は、MAXISシリーズでこれら3つの指標にそれぞれ連動しているJリートETFを運用していますので、今回はそれら3つのJリートETFが受ける新型コロナウィルスの影響を考えてみました。

指数JリートETF
東証REIT指数MAXIS JリートETF(1597)
野村高利回りJリート指数MAXIS 高利回りJリートETF(1660)
東証REIT Core指数MAXIS JリートコアETF(2517)

表のようにそれぞれ連動しております。

指標によって組み入れている銘柄が少しずつ違いますので、今回は純資産総額に対する割合の上位10銘柄を確認し、特にそのリートのポートフォリオの用途比率を比べてみました。

*スマホの方は横画面にしていただけると見やすくなると思います。

MAXIS JリートETF(1597)
組入比率リート用途比率
8.30%日本ビルファンドオフィス100%
7.50%ジャパンリアルエステイトオフィス100%
5.20%野村不動産マスターファンドオフィス45%住居19.2%物流17.7%商業17%ホテル0.6%その他0.5%
4.80%日本プロロジスリート物流100%
4.40%大和ハウスリート物流49.8%住居30.2%商業14.8%ホテル2%その他3.3%
3.60%GLP物流100%
3.50%アドバンス・レジデンス住居100%
3.30%オリックス不動産オフィス53.8%商業16.3%ホテル14.1%住居10.2%物流5.5%
2.80%ユナイテッド・アーバン商業29.2%オフィス29.1%ホテル24.4%住居7.5%その他9.8%
2.70%日本リテールファンド商業100%

MAXIS JリートETF(1597)は上位銘柄にオフィス用途比率の高い銘柄が多いことがわかりました。

新型コロナウィルスの影響はリストラ等による企業の雇⽤者数の減少が都⼼でのオフィスワーカーの減少につながらない限り、企業がオフィス⾯積を⼤きく減らす動きにはつながりにくいとみています。この状況がきっかけでテレワークが普及したとしても、やはりテレワークでできることは限定的だと思いますので影響はほぼ無いとみています。しかし、これまで順調だった賃料増額について景気不透明感や企業業績の悪化などからペースが鈍化する可能性はあります。増配は難しくても、⾼い稼働率を背景に今後も堅調とみています。

MAXIS 高利回りJリート(1660)
組入比率リート用途比率
6.50%GLP物流100%
6.40%大和ハウスリート物流49.8%住居30.2%商業14.8%ホテル2%その他3.3%
5.60%日本プロロジスリート物流100%
5.10%野村不動産マスターファンドオフィス45%住居19.2%物流17.7%商業17%ホテル0.6%その他0.5%
4.50%産業ファンド物流55.2%産業用44.8%
3.80%ユナイテッド・アーバン商業29.2%オフィス29.1%ホテル24.4%住居7.5%その他9.8%
3.60%アクティビア・プロパティーズオフィス52.6%商業47.4%
3.60%日本リテールファンド商業100%
3.60%ラサールロジポート物流100%
3.60%積水ハウス・リート住居46.8%オフィス46.5%ホテル6.6%

MAXIS 高利回りJリート(1660)は上位銘柄に物流用途比率の高い銘柄が多いことがわかりました。

まず、多くの物流施設の契約が⻑期固定契約となっており、新型コロナウィルスが流行しているとはいえ、賃料の安定性が⾼いことが安⼼材料です。大きく減配されることはないかなと考えています。

足元ではインターネット通販の拡⼤による需要の拡⼤を背景に堅調な推移が続いています。2019年は物流施設の⼤量供給があったものの、旺盛な需要により空室率は低下しました。今後についても堅調な推移が続くとみています。2020年の物流施設の供給は前年より減少するようで、需給は引き締まった状態が継続する⾒込みです。

しかし、後に書いていますが、このETFはホテル用物件が主力の大手三社の割合が最も大きいので、足を引っ張る可能性はあります。

MAXIS Jリートコア(2517)
組入比率リート用途比率
4.70%日本プロロジスリート 物流100%
4.50%アドバンス・レジデンス住居100%
4.50%大和ハウスリート物流49.8%住居
30.2%
商業14.8%ホテル2%その他3.3%
4.50%日本ビルファンドオフィス100%
4.40%日本ロジスティクスファンド 物流100%
4.40%産業ファンド物流55.2%産業用44.8%
4.30%ジャパンリアルエステイト オフィス100%
4.30%日本アコモデーションファンド 住居94.9%その他5.1%
4.30%GLP物流100%
4.10%森ヒルズリートオフィス88%住居6.4%商業5.6%

MAXIS Jリートコア(2517)の上位10銘柄には物流、住宅、オフィスがバランスよく含まれていると思います。

住宅用物件に関しては、Jリートが保有している物件はそもそも都心部・中心部の物件が多いです。通常ですと都⼼部への⼈⼝流⼊に⽐べて賃貸住宅の供給は少ない状態が続いており、都⼼部の賃貸住宅の稼働率が⾼⽌まり、賃料も上昇、好調な状態です。物流施設と並び、不安材料が少ないセクターです。懸念材料 をあげるとすると、新型コロナウイルスの感染拡⼤の影響で3⽉末の転勤等が抑制され、⼊居者の退去率が低下した場合、賃料増額のペースが低下する可能性がありますが、依然高い稼働率は維持されますので、こちらも大きく減配されることはないのかなと思います。

ホテル用物件もそれぞれ含まれていますが、ホテルは厳しい状態が続いていくと思います。

新型コロナウイルスの世界的な感染拡⼤により、訪⽇外国⼈が当⾯低⽔準となるのは避けられません。⽇本⼈の宿泊者数もレジャー・出張ともに⾃粛ムードが⾼まるなかでは厳しい状態が継続するでしょう。

例えば、ホテル専業の⼤⼿銘柄であるジャパン・ホテル・リートの2019年12⽉期の実績を振り返ると営業収⼊に占める変動賃料は112億円で39.5%でした。純利益は153億円だったことから、仮に1年間現在のような環境が続き変動賃料が全く発⽣しなかった場合でも、⼤幅な分配⾦減少は起こりますが、無配に転じるようなことは避けられると思います。

そこで次に各JリートETFが保有している変動賃料⽐率の多いホテル用物件を主力としている⼤⼿三社(ジャパン・ホテル・リート、インヴィンシブル、星野リゾート・リート)の純資産比率を確認してみました。

基準日:2020/3/31
純資産比率ジャパン・ホテル・リートインヴィンシブル星野リゾート・リート
MAXIS JリートETF(1597)1.19%1.25%0.60%
MAXIS 高利回りJリートETF(1660)2.05%2.51%1.51%
MAXIS JリートコアETF(2517)1.79%1.90%0.00%

それらの比率の合計が最も多いのがMAXIS 高利回りJリートETFで6.07%、次にMAXIS JリートコアETFの3.69%、MAXIS JリートETFが最も少なく3.04%でした。

その内、変動賃料の部分はさらに少なくなるので、減配の影響が大きい部分の比率としてはかなり低くなると思います。

つまり減配の可能性はどの指数に連動しているものでも低いと思います。分配金の安定性に比べて、JリートETFはいま大きく売り込まれていると思います。

どの指数を選ぶかは流動性なども見ながら、本人の好き嫌いによるかなと思います。