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日本たばこ産業(2914/JT)の2019年度実績および2020年度業績見込み

2019年度業績ハイライト

2019年度決算 より

財務報告ベースでは不利な為替の影響を大きく受け、調整後営業利益は前年度比13.4%の減益、また、当期利益についても同様に9.7%の減益となりました。

しかし、全社利益指標である為替一定ベース調整後営業利益は、国内たばこ事業及び海外たばこ事業を合わせた、たばこ事業トータルでの成長が医療事業の減少を上回ったことにより、2018年度の5995億円から2019年度は6008億円と0.9%の増加となりました。

たばこ事業の業績サマリー

JTの利益の大部分をたたき出している本業のたばこ事業についてみてみます。

*スマホの方は横画面にしていただけると見やすくなると思います。

JT紙巻販売数量(前年比)自社たばこ製品売上収益(前年比)
国内たばこ事業755億本(-65億本, -7.9%)5689億円(-135億円, -2.3%)
総販売数量(前年比)自社たばこ製品売上収益(前年比)
為替一定ベース
海外たばこ事業4458億本(+182億本, +4.3%)12,379百万ドル(+1,049百万ドル, +9.3%)

国内たばこ事業の紙巻販売数量は総需要およびシェアの減少(-1.0%)により減少しました。紙巻単価上昇効果はあるものの、今後も販売数量自体は、人口の減少・健康リスクへの懸念から減少の一途をたどると思います。

しかし海外たばこ事業に関しては2018年度に実施した買収の効果および各市場におけるシェア伸長、単価上昇効果、数量効果により増収増益となっております。

個人的に特に伸びそうな市場として、2018年度にバングラデシュのたばこ市場シェア2位の地場アキジグループのたばこ事業を買収しています。

バングラデシュの2010年の総人口は約1億5200万人ですが2050年には2億200万人に達する推測であり、132.8%へ増加します。現在、先進国を中心に、たばこ産業に対する規制が強化されており、市場規模は縮小傾向にある中、人口ボーナス期が続く新興市場でのシェア拡大は、JTにおける重要な成長戦略となっています。バングラデシュは年間860億本と世界8位の市場で、市場成長率も2%と他国に比べて高いのも魅力的です。

2020年度業績見込み

売上収益としては国内たばこ事業及び医薬事業における減収はあるものの、海外たばこ事業及び加⼯⾷品事業における増収がこれを相殺し、前年度⽐ 0.2%増収となる 2 兆 1,800 億円を⾒込んでいます。

調整後営業利益としては為替⼀定ベースでは、海外たばこ事業における堅調な事業モメンタムが、国内たばこ事業、医薬事業、加⼯⾷品事業での減少を相殺し、前年度と同⽔準となる 5,160 億円となる⾒込みです。

財務報告ベースでは、海外たばこ事業における増加はあるものの、国内たばこ事業、医薬事業、加⼯⾷品事業の減少を上回るには⾄らず、前年度⽐ 2.5%減少となる 5,030 億円を⾒込んでいます。

やはり今後業績をけん引していくのは海外たばこ事業であり、ここの数量が伸びていく限りは株式を保有していくつもりです。また今後、円安が進んでいくと勝手に推測しているので為替も有利に働くと思っています。

配当金政策について

経営計画2020 より

配当金に関しては2020年度も現状維持の1株当たり154円を予定しております。連結配当性向は90%と減配リスクの高い水準ですが、政府・地方公共団体が株式の33.35%を保有しており、予算にも組み込まれていることが減配防御壁となっております。

JT自体も“今後も配当の安定性については維持していきたいと考えています。”と表明していますが、慢性的に配当性向が100%を超えるようなことになると減配もやむを得ないかなと思います。