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千代田化工建設(6366)の見通し、業績について(LNG需要は今後も高まる)

千代田化工建設とは

1948年の創業以来、石油・ガスといったエネルギーから、化学、環境、省エネ、産業設備、ライフサイエンスまで幅広い分野において、プラントの設計・調達・建設(EPC)を中心に、数多くのプロジェクトを世界各地で手掛けています。

特にLNG(液化天然ガス)の製造プラントにおいて48%という驚異的なシェアを誇ります。

プラント建設実績国が40ヵ国以上であり、世界ブランドとしても揺ぎ無い地位を確立しています。

千代田化工建設HPより

売上高構成比ですが、半分以上をLNGプラント関連で稼ぎ出しています。

そもそもLNGは何に使われているのか。

用途としては、発電用に約62%、都市ガス用に約31%が使われ、約7%はその他工業用燃料などに用いられています。皆さまの家に都市ガスが引かれているのであれば、コンロから出ている炎はLNGです。

天然ガスはマイナス162℃程度にまで冷却すると液体になり、気体の状態に比べて体積が600分の1にまで減るという特徴があります。このため、LNGは天然ガスの大量輸送・貯蔵に大変適しています。

日本におけるLNGの輸入は1969年から開始されましたが、当初の国内エネルギー供給に占める割合は1%に過ぎませんでした。しかし以後は急激に増え続け、2017年では石油(39.0%)に次ぐ石炭(25.1%)に匹敵する23.4%を占めるまでになりました。

東日本大震災で原子力発電によるエネルギー供給の割合が11.2%(2010年)から1.4%(2017年)にまで縮小されたことから、LNGの重要性はさらに高まってきています。

また、その重要性の高まりの背景には、LNGがクリーンで環境に優しいエネルギーであることが挙げられます。天然ガスは石油や石炭といった化石燃料とくらべて燃焼時の二酸化炭素排出量が少なく、液化プロセス中に不純物が除去されるため硫黄酸化物やばい煙も発生しません。

化石燃料の使用削減が求められ、再生可能エネルギーがまだ十分に発達していない現在、LNGは現在のエネルギー事情にかなっています。

堅調な成長が見込まれるLNG市場

再生計画 再生と未来に向けたビジョン 説明資料より

アジアの新興国を中心とした経済成長を背景に、LNG需要が堅調に伸長していく見通しとなっております。2030年には1億トン/年が足りなくなる予想で、年産1億トン規模の新規プラント建設需要が見込まれております

千代田化工建設の現状

米国のルイジアナ州での案件である、キャメロンLNGプロジェクトにおいて、現場が辺鄙な地にあり、建設労働者の定着率が悪いことや、トランプ政策による好景気で労働者不足が生じ、建設従事者不足が深刻、工事を左右する優秀な建設労働者ほど集まらない状態だったそうです。これにより労賃の高騰と工事の大幅遅れが影響して、約1000億円の巨額損失が発生しました

そして5月に発表した2019年3月期の連結決算は、2149億円もの最終赤字を計上。蓄えはすべて吹き飛び、3月末時点で592億円の債務超過(自己資本がマイナスの状態)に陥りました。そして東証第2部に降格し、自動的に日経平均株価構成銘柄からも外れました。

筆頭株主の三菱商事は三菱UFJ銀行と総額1800億円の投融資による支援を決め、債務超過は解消し、上場廃止は回避できました。

復活の狼煙

20年3月期業績予想では、売上高は3900億円を据え置いたものの、営業損益は190億円の黒字から250億円の黒字に引き上げ、純利益を60億円から150億円へ上方修正しました。売上高は従来予想を据え置いたものの、米国のキャメロンLNGプロジェクトなど遂行中の案件について採算の改善が見られたことが利益を押し上げる形です。また、外貨建て営業債権にかかる為替差損益などの計上額を見直したことも寄与するとしています。

LNGプラントは世界5社しか建設できない高度な技術を要する独占業界ですし、LNG自体の需要も今後どんどん伸びていくと推測されています。また同社は「1日も早く1部に復帰したい」としているため、株価は上昇していくのではないかと思っています。