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長瀬産業(8012)の成長と配当金・株主優待について

2020年6月9日

長瀬産業は、1832年京都で創業した老舗の化学系専門商社です。世界的に優良な製品を日本国内で独占的に輸入販売する総代理店権を有し、エレクトロニクス、自動車、ヘルスケア、食品関連などに強固な顧客基盤を築いており、染料・合成樹脂等では首位級の規模です。

近年は培った技術力・情報力・海外ネットワークを活かし、M&Aによる成長投資にも積極的で製造・加工事業も取り入れて、事業構造の転換を果たしてきました。そして、創業200年となる2032年に向け、「持続的成長をするNAGASE」の実現のためにグループで取り組んでいます。

食品素材などの生活関連商品が拡大の柱

長瀬産業の19年3月期の売上高は8077億円で大半は主力の化学品向け素材で稼いでいるが、化学品に比べて市況が安定している食品素材を拡大させています。

2012年にはかつて有機化学の雄と言われトレハロースなどの食品素材を製造している林原(岡山市)を約700億円で完全子会社としました。

トレハロースは砂糖の38%の甘みを呈し、その高い保水力から食品や化粧品に広く使われています。分かりやすいところだと、すぐに硬くなってしまう餅や団子に加えると、高い保水力から柔らかいまま保存ができ食感を維持することができるため、和菓子などには含まれていることが多いです。

2019年7月には健康食品向け素材大手の米プリノバ・グループ(イリノイ州)を約650億円で買収しています。プリノバは1978年に設立し、欧米を中心に原料、風味や栄養強化製品を、ベーカリーや飲料、製菓、乳製品、スポーツ食品などの分野に提供しています。とくにビタミンC、ビタミンBやアミノ酸の調合・配合では世界的大手とされております。

プリノバの18年12月期の売上高は約7億8千万ドル(844億円)で、ビタミンやアミノ酸など2000品目の食品素材を販売し、欧米を中心に食品メーカーなど3000社を顧客網に持っています。調達素材の卸売りのほか、プロテインなどスポーツ食品のOEM(相手先ブランドによる生産)も請け負っています。

「ニュートリション」と呼ばれるスポーツや健康食品向けの食品添加剤は世界で1兆円の市場規模があり、年率約10%で伸びています。また中間所得者層が伸びるアジアで増加傾向にあります。日本やアジアに強い長瀬産業の販路を生かせば、世界規模で食品素材を拡大できると判断し売り込む方針です。

海外の売上高比率を拡大中

直近の2020年3月期の第2四半期連結累計期間の海外売上比率は48.3%と半分程度を海外で稼いでいるが、60%まで伸ばすことを目標としています。

2020年3月期第2四半期決算説明会資料より

地域別にみると、中国に香港、台湾などを含めたグレーターチャイナ(中華圏)が全体の50%を占め、ASEAN(東南アジア諸国連合)も30%と比率が偏っています。それに対して北米は10%程度にとどまり、地域バランスと売り上げのボトムアップが課題となっていました。

2020年3月期第2四半期決算説明会資料より

北米・欧州に販売網を持つプリノバの役割によって北米・欧州の売上を30%程度まで引き上げ地域バランスをとっていく考えです。

また、林原とプリノバでの販売品目の拡充と、アジアで販売網を持つ長瀬産業と北米欧州で販売網を持つプリノバのシナジー効果も合わせて世界的規模で生活関連商品のシェアを獲得していくと考えられます。

2020年3月期第2四半期決算説明会資料より

2018年度ベースでは生活関連商品の売り上げは11%だが、20%まで引き上げる予定です。

配当金推移・株主優待について

2020年3月期第2四半期決算説明会資料より

配当金は9年連続増配中で、2020年3月期も2円増配の44円と10年連続増配で今後も期待しております。配当性向は30%前後で、まだまだ余力があると思います。

長瀬産業の株主優待では優待カタログがいただけます。

長瀬産業HPより

保有期間によりカタログの内容も拡充していき、100株だけでも3年以上保有していると5000円相当の商品になります。

2020年1月9日現在の株価は1614円で、予定配当利回りは2.7%です。

100株で1500円のカタログだと、優待利回りは0.9%で総合利回りは3.6%になります。保有期間が半年以上で3000円、3年以上で5000円になりますので、3年以上保有していれば総合利回りは5.8%にもなります。

企業自体の成長にも期待ですし、10年連続増配予定と優待カタログもあるので、とりあえず1単元持っておくことにしました。

2020年3月期の株主優待については下記の記事で紹介しています。合わせてお読みください。