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日本郵政(6178)グループの一員であるオーストラリアの物流会社トールに期待。

トール・ホールディングスについて

トール・ホールディングス(Toll Holdings Limited)は、航空機を主体とした国際宅配便、運輸、ロジスティックサービスを扱うオーストラリアの国際輸送物流会社です。2015年5月に日本郵便により買収され同社の子会社となり、日本郵政グループの一員となりました。アジア太平洋地域を中心に、50カ国1200拠点のネットワークを運営している巨大な企業です。

2015年に子会社化したトールは日本郵便や日本郵政グループの足を引っ張る「お荷物」だったのが実情です。6200億円を投じて買収しましたが、16年度にのれん代で約4000億円の減損損失を出し、郵政は民営化後初の赤字(400億円)を計上してしまいました。

その後約1700人の人員削減や分散していたIT(情報技術)システムの集約などで経営再建を進めてきました。国際物流や日本での協業は日本郵便、日本郵政グループにとっての重い経営課題でもあります。 買収効果を疑問視する見方が絶えることなく、それは株価にも如実に表れており、上場以来右肩下がりなのが現状です。

そんな株主から評価の低いトールですが、私個人的にはオーストラリア経済と人口増加率に期待しており、それが追い風となり業績は良くなると考えています。

オーストラリアの人口増加について

2020年を基準に2050年の人口の増減をみるとオーストラリアは130%に増加しています。 それに対して日本の人口はというと2020年を基準にすると2050年には約81%になってしまうそうです。

経済成長の基盤となる人口増加によって、取り扱い物流量は自然と増え、業績が良くなることが期待されます。

オーストラリアの人口増加や経済成長については以下の記事にまとめております。合わせてお読みください。

トールの現状

それでは日本郵政グループ決算発表資料 2020年3月期 第2四半期(中間期)決算の概要より、トールの現状を見てみます。

日本郵政グループ決算発表資料 2020年3月期 第2四半期(中間期)決算の概要より

表の下段括弧内は期中平均レート(2020/3期中間期75.25円/豪ドル、2019/3期中間期 82.03円/豪ドル)での円換算額をそれぞれ記載。

営業収益は、豪州経済減速等の影響を受けて伸び悩んでおり、前中間期とほぼ同額で推移(円ベースでは為替影響により8.2%減)。 営業収益が停滞する中、営業費用は人件費単価上昇などの要因により115百万豪ドル(2.8%)増(円ベースでは為替影響により5.7% 減)となったため、営業損益(EBIT)は63百万豪ドルの赤字を計上しました。

日本郵政グループ決算発表資料 2020年3月期 第2四半期(中間期)決算の概要より

え、、、1700人もリストラしたのに人件費も増加して、赤字に転落していました。

経営のテコ入れが効果を発揮するのはまだまだ先のようですが、人口増加等が追い風になってくれると思います。

トールの新国際流通拠点に期待

国際物流事業については、アジア太平洋地域の市場へ のサービス展開を拡大する拠点として、2018年7月18日にASEANのハブ倉庫となる大型物流施設「トールシティ」をシンガポールに開所し、高品質なロジスティクスサービスの提供に取り組みました。

TOLLホームページより

トールグループが、サッカー場15面に相当する敷地に2億2800万シンガポールドルをかけて建設した総面積10万947㎡、7階建て・フロア面積1万8000㎡で、各階23ドッグ、合計115ドッグを有します。

2~4階および6階はリテール・消費財などを保管、5階はヘルスケア倉庫です。

施設内では、最新の自動保管倉庫、無人フォークによる自動棚入れ、自動ピッキングなどハーフ・フル自動化したサービスを提供するとしています。

例えば、トールホールディングスの子会社であるSTロジスティクスがヘルスケア関連商品在庫を所有・管理し、病院間の医療物品(血液サンプルなど)を輸送しています。いくつかの病院では、同社社員がRFスキャナを用いて医療関係物品の在庫数、利用状況や使用期限を瞬時に把握します。必要数量を下回った商品の補充オーダーをオンラインで行います(在庫管理マネジメント)。また、同社はGDPなどの各種ライセンスも保有しています。

また、シンガポールのトゥアスという戦略的立地に位置するトールシティは、トールのアジアネットワークと輸送力を拡張すると期待されています。また、マレーシアとの鉄道リンクや、急成長中のシンガポール西部ジュロン地区に近いため、トールのお客様にとって最適な陸海インターフェース施設となります。シンガポール経済開発理事会の支援も得ているトールシティは、トールの既存のアジア太平洋地域ネットワークを補完し、同地域のお客様と世界全体を繋ぐゲートウェイともなります。また、国内や地域内のリテール、FMCG、ヘルスケア業界の成長を加速します。トールシティは2021年開業が予定されているトゥアス港から3km以内の所にあります。同港は最終的には年間取扱量6500万TEUに達し、シンガポールのコンテナ取扱を一カ所に集約する予定です。

ASEAN諸国の経済成長にも期待です。またこれらの国を含めた経済圏の構築は進んでおり、物流量は増えそうです。

以上のことから、現状の業績から大きな声でおススメすることは出来ないのですが、日本郵政グループのトールにはひそかに期待しております。